2025.02.18
地域で一番新しい自転車屋さんから地域で一番の歴史ある自転車屋さんへ“町の自転車屋さん”|サイクルピア サクライ
Z ZONEがおくる、“町の自転車屋さん”のインタビューシリーズ。
第十八弾は、瑞江駅南口を出てすぐの商店街に位置する「サイクルピア サクライ」さん。
駅から徒歩30秒。人通りの多い駅前の一画に位置しているサイクルピア サクライさんには、地域に住む多くの人が訪れます。
今回は、三代目店主の櫻井宏祐さんから、お店の歴史や特徴についてお話をお伺いしました。地域の人々に愛される、お店の秘密に迫ります。
自動車事故がきっかけで自転車専門店に

店主の櫻井宏祐さん
―本日はよろしくお願いします。まず、はじめにサイクルピア サクライさんの創業からこれまでについて教えてください。
櫻井さん:1958年に祖父が創業しました。私で三代目です。
創業当時は、ここから800mぐらいのところに店がありました。バス通り沿いだったので、そちらの方が、人通りが多かったんですね。その時は、小岩駅が最寄り駅でしたね。
1986年に都営地下鉄新宿線が開通して瑞江駅ができ、1993年に今の場所に移転してきました。
―自転車業をはじめたきっかけはなんですか?
櫻井さん:もともと祖父は、バイクが好きだったんですよ。
バイク兼自転車屋さんに、丁稚奉公で入り、独立して自転車屋さんを開きました。
一時期は、自動車も販売してたんです。ちょうど一般家庭でも、自動車が普及してきた時期ですね。
櫻井さん:ただ、事故がきっかけで、自転車専門になったんですけど……。
―どのような事故でしょうか?
櫻井さん:赤信号で止まっていた祖父の車に、よそ見をしていたタクシーが時速50キロ、ノーブレーキで突っ込んできたんですよ。
車にヘッドレストも付いてない時代だったので、祖父はむち打ち症になってしまい、一年程、仕事ができなくなってしまったんです。
当時は、タクシー会社も保険に入ってなかったので、補償もしてもらえず……。
むち打ち症もあって体調的にも、もう自動車販売はできないだろうということで、自転車専門店として続けていくことなりました。
家族みんなで訪れるお店
―現在、一緒に働いているスタッフのみなさんについて教えてください。
櫻井さん:私と、父と母、妻ですね。その他、メインスタッフの黒瀧や、自転車整備士の資格を持っている韓国人スタッフの李、週2日ほど入ってるアルバイトの藤由ですね。
黒滝はプロショップ出身なので、スポーツバイクのハイエンドなどの整備が得意です。
藤由は一般自転車ですね。私は、電動自転車です。みんなそれぞれ得意分野が違うんですよ。
―お店の特徴やこだわりについて教えてください。
櫻井さん:基本的には、一般のお客さんが家庭で利用する自転車を販売しています。
子ども用自転車も、個人店の中では比較的強い方かなと思います。電動自転車もこれから増やしていこうと思っています。
力を入れてるのは修理ですね。個人店の中には、自分の店で売った製品しか直さない店もありますが、ウチはどの店で購入されたものでも修理します。
―ご来店されるお客様は、どのような方が多いですか?
櫻井さん:店のコンセプトと同じく、年配の方、若い方、お子さんなど、親子や家族で来られていますね。
地域の自転車屋さんと積極的に情報交換
――SNSなども積極的に掲載されていますが、こだわりはありますか?
櫻井さん:Instagramに、新しい自転車の入荷案内などを載せています。これからは、修理についても載せようかなと思っています。
こだわりと言えるかわかりませんが、私がInstagramに投稿する時は、好きなグループの音楽をつけています(笑)
―地域の自転車屋さんのコミュニケーションをとることはありますか?
櫻井さん:昔はなかったんですけど、東京都自転車商協同組合の支部長になりまして、その関係で、いろんなお店をまわったりするんですね。そこでコミュニケーションがとれてますね。
―地域の自転車屋さんとは、どのようなお話をされますか?
櫻井さん:組合関係の話もしますし、自転車修理の裏技なども教え合ったりしています。
――地域行事などには参加されたりしますか?
櫻井さん:商店街で行われる、ハロウィンや七夕祭りに出店することがありますね。
先日は、商店街のイベントで1回300円の千本くじを行いました。商品は、ルービックキューブなどの子ども向けのおもちゃです。子どもたちに楽しんでもらえればと思って取り組みました。
若いお客さんが世間話をしに
――仕事のやりがいは、どのような時に感じられますか?
櫻井さん:自転車を修理した時に、お客さんに喜んでもらえることが一番のやりがいです。お客さんの笑顔を見るとうれしい気持ちになります。
――印象に残っているエピソードはありますか?
櫻井さん:もう10年以上前の話になりますが、当時は夜遅くまで店を開けてたんですよ。
20時閉店なんですけど、閉店時間を過ぎても一人で店を開けて作業をしてたんですね。
そうすると、若いお客さんが、自転車のことや生活のことなど、いろいろお話に来られるんですよね。
その中の一人に、韓国人の子がいたんですけど、事情があって韓国に帰ることになったんです。コーダーブルームというブランドの自転車に乗っていたんですけど、韓国で購入できないから、日本から持って行くしかないということで、車に載せて一緒に成田空港まで運んだことがあります。すごく印象に残ってますね。

人気商品のゴーゴーヘルメットピッグ。振動で豚さんが光ります。
100周年を目指して
―お店の目標を教えてください
櫻井さん:店としてはこのままのペースで進めていきたいです。家族向けに自転車を販売し続けたいですね。
あとは、現在創業から67年なんで、このまま100周年を目指したいです。
当たり前の話ですけど、創業当初は江戸川区で一番新しい店だったじゃないですか?
気がつけば、だんだん古い店がなくなっていくんですね。もう少しで江戸川区でも一番古い店になれるかなという状況ではあるので、もちろん他の店にもがんばってほしいですけど、長く続けることが目標です。
―個人としての目標はありますか?
櫻井さん:跡取りができたらいいなと思います。
子どもが2人いるんですが、どちらかに継いでほしいですね。一人が中三で、もう一人が小一なんで、まだわからないですけどね。
上の子は2分の1成人式の時に、将来はパパみたいなかっこいい自転車屋になりたいと言ってたんです。今も、そう思ってるのかはわかりませんが、そうだったらいいなと(笑)
―最後にこれからお店を利用される方にメッセージをお願いします。
櫻井さん:困ったことがあったらご来店ください。
自転車に関することなら、どんなことでも力になります。
おわりに
サイクルピア サクライさんは、半世紀以上にわたり地域のみなさまと一緒に歩んできた町の自転車屋さんです。
自転車の販売や修理など、困った時に頼れる存在として、多くのお客様に愛され続けています。
店主をはじめとした、スタッフのみなさんの温かい対応と確かな技術が、お店の魅力です。自転車のことで何かお困りの際は、ぜひ気軽に足を運んでみてください。きっと力になってくれるはずですよ。
【Information】
店名:サイクルピア サクライ
住所:東京都江戸川区瑞江2-4-1
電話:03-3679-0361