Z ZONE

2021.04.22

できることを、まっすぐに。中野区新井の “町の自転車屋さん” | サイクルショップフジモト

Z ZONEがおくる、“町の自転車屋さん” のインタビューシリーズ。

第二弾は、中野区新井にお店を構えているサイクルショップフジモトさんです。

中野駅から徒歩10分以内の場所に位置し、周囲には区役所や学校、大きな公園などが並ぶロケーション。

店主の藤本 広志(ふじもと ひろし)さんへのインタビュー、ぜひお楽しみください。

たくさんの “家族” に寄り添うお店として

サイクルショップフジモトの店主・藤本 広志さん

ー本日はよろしくお願いします!

藤本さん:よろしくお願いします。なんでも聞いてってね。

ーはじめにお店の歴史について伺いたいのですが、サイクルショップフジモトさんはいつ頃からあるお店なのでしょうか?

藤本さん:一発目からこんなこと言っちゃって良いのか迷うんだけど、正直わかんないんですよね(笑)。サイクルショップフジモトは僕の祖父が始めたお店で、話によれば昭和6年頃には自転車屋さんだったらしいんだけど。僕は三代目の店主としてこの店をやっています。

ーかなり年季の入った道具が並んでいますよね。

藤本さん:綺麗なもんじゃないからさ、あんまりたくさん撮らないでよ(笑)。

ーお客さんはどういった方が多いですか?

藤本さん:店の前の通りだったり、近所だったり、かなり人通りが多いんですよね。学校も近いし、家なんかも結構多くて。この店に来てくれるお客さんの層は、主婦の方々が中心ですかね。

藤本さん:電動自転車からクロスバイク、子供向け自転車など、常にたくさんの種類を用意していて。『一家揃ってみんな藤本さんのところで買ってます』なんてことを言ってくれるお客さんもいますよ。本当うれしいもんです。

ひとりひとりのお客さんに、まっすぐ向き合うということ

ーサイクルショップフジモトさんの強みって、何なのでしょうか?

藤本さん:強み……。うーん、むずかしい質問だね(笑)。ひとつ「できないことはやらない、できることはちゃんとやる」というのは意識しているかなぁと思います。たとえば、うちで取り扱っていない部品を取り寄せしてくれ、なんていう声にはちょっと対応できない。店に無いんだから。ちょっと厳しい声だけど。

ーうんうん。

藤本さん:でも、できることは真摯にやりたいですよね。うちで買った自転車じゃなくても、お客さんが頼ってくれたなら修理してあげたいし。量販店で買おうがネットで買おうが、自分の手が届く範囲であれば、力を添えたいなぁと思っています。修理の依頼が増えてきているのも事実ですし。近ごろは。

ーなるほど。「できないこと」は正直に伝える。その上で「できること」を全力で。

藤本さん:もちろんお客さんのためになることなら全部やってあげたいんだけどね。まずは、自分にできることをちゃんとやる。まっすぐやる。いつも来てくれるお客さんも、まっすぐな人が多いですから。街のみなさんがまっすぐ愛してくれているんだなぁと感じますよ。

おわりに

ユーモラスで気さくな空気が感じられた、今回の取材。わたしたち取材陣を終始和ませてくださりながらも、藤本さんの視線はまさしく “まっすぐ” で。

取材終わりに「ちょっと、手を見せてほしいです」とお願いをしました。『だから、全然綺麗なもんじゃないから!』と恥じらいつつも見せてくださった藤本さん。長年の歴史と経験を裏付けるように汚れた両手は、とてもとても美しいものでした。

中野駅から徒歩10分ほどのところにある、サイクルショップフジモトさん。ぜひ藤本さんに会いに行ってみてください。もしかすると手は見せてくれないかもしれませんが、楽しく素敵な時間を過ごせること間違いなしです。

【Infomation】
店名:サイクルショップフジモト
住所:東京都中野区新井2-30-4
電話:03-3386-2551