Z ZONE

2021.06.30

陽の当たる場所で、のんびりゆっくりお客さまと関わっていく。江東区大島の“町の自転車屋さん” | サイクルショップりんりん大島

Z ZONEがおくる、“町の自転車屋さん” のインタビューシリーズ。

第四弾は、江東区大島にお店を構えるサイクルショップりんりん大島さん。

大島駅を降り、『UR都市機構大島六丁目団地』を目指して歩くこと2分。大きな広場に面した場所にたくさんの自転車が見えたら、この場所こそが今回取材にご協力くださった “町の自転車屋さん”、サイクルショップりんりん大島さんです。

今取材では、50年ほどの長い歴史を持つこちらのお店の店主を務める石川さんから、お話を伺うことができました。ぜひとも、石川さんの温もりあふれるお人柄や、あたたかなムードのお店の雰囲気を感じながらお楽しみください。

“「やってみよう」が原動力になったんです”

ー本日はよろしくお願いします!

サイクルショップりんりん大島の店主・石川 田津巳さん

石川さん:よろしくお願いします。それにしても、今日は本当にあったかいね。

ーあたたかな陽の光がたくさん入る、ぬくもりにあふれたお店ですよね。

石川さん:お店の目の前に、『UR都市機構大島六丁目団地』の広場があって。いわゆる “公団” だね。その広場が結構大きいおかげで、ずいぶんあったかい光が入ってくるから、自然と店内が明るくなるんです。たしか公団には、2,700世帯ほどが住んでいるみたい。

ーかなり大きい団地なんですね。そちらに住まれている方は、お店に来られるのでしょうか?

石川さん:うーん、あの団地に住まれているのは、海外の方々が中心みたいで。正直多くはないけれど、来てくれる方もいますね。そもそも今のお店をオープンする前は、同じくこの広場に面した場所でお店をやっていたんですよ。13年前ぐらいに、“引っ越し” をして。すっごく近い場所だけどね(笑)。

ーほうほう。『サイクルショップりんりん大島』としては、前の店舗を含めて、どれぐらいの期間続いてきたお店なんですか?

石川さん:前のお店は、平成元年にオープンしました。それ以前に僕は、もともと車やバイクを扱う仕事に就いていて。名前に「車」と付くものであればほとんど(自動車も二輪車も自転車も)扱っていたんだけど、自転車一本で仕事をしていくことになったんだよね。今思えば、正直、こうしてのんびりゆったり働けている方が良いかもなぁって思っちゃうよ(笑)。

“長く大切にしてくれる人とは、ずっと付き合っていきたいよね”

ー『りんりん大島』に来られるお客さまは、どんな方が多いですか?

石川さん:やっぱり、地域にずっと根ざしてきたからこそ、昔からずっと来てくれる「ご家族の方々」が多い印象ですね。大島のあたりって、近ごろ自転車屋さんが増えてきたんですよ。僕らは六丁目なんだけど、七丁目や八丁目の方にも新たなお店ができたり。

石川さん:このお店では自転車の修理の仕事が多いんだけれど、壊れた自転車を七丁目・八丁目から押してくるのは大変だから、そっちのお店へ行く方も多いみたい。ただ、そんななかでも昔から来てくれる近所の方々の存在は、どうしたってありがたいですよね。そういう方との関係性をずっと続けていきたいなぁとは考えています。

ーうんうん。

石川さん:それに、新たなお客さんのことも大切にしていきたい気持ちも大きくて。だからこそ、僕らは「一年目の点検無料」を押し出しているんですよ。

ー無料での点検、ですか。

石川さん:このお店で自転車を買ってくれたお客さんには、ハガキを出しているんです。なるべく長く自転車を大切にしていただきたいので、「一年目の点検は無料ですよ」という趣旨で。細やかに点検をすると、結構長いこと乗ることができるんですよね。自転車って。

ー定期的な点検をするのとしないのでは、結構違うものなんですか?

石川さん:そりゃもう、だいぶ違いますよ。「必ずそうなる」とは言えませんが、点検をせずに乗っていれば、何年かすると壊れてしまう。でも、お店で点検をして少し手を加えてあげるだけで、ずいぶん長く乗れるようになるんです。

ーなるほど。

石川さん:せっかくの買い物ですし、お客さんには、ぜひ自転車を大切にしてもらいたい。それと同じく、僕らもお客さんたちのことを大切にしていきたい。日々のケアだったり、日常の会話だったり、“長く関わっていく” ということを意識しながらお店を続けていきたいですね。

おわりに

終始、あたたかなムードで進んでいった今回の取材。

きっとそれは、店内のあたたかさでもあり、同時に店主の石川さんがお客さまを想う心のあたたかさでもあったのだろうと感じます。“お客さんには、ぜひ自転車を大切にしてもらいたい。それと同じく、僕らもお客さんたちのことを大切にしていきたい” と話す彼の声は、どこか誇らしげで、お客さまと日々交わし合う “信頼” を表しているかのようにも聞こえました。

大島駅そばの、『サイクルショップりんりん大島』。地域に根ざした、優しいぬくもりにあふれるお店を、読者のみなさまもぜひ楽しんでみてください。明るくて、あったかくて、どこか懐かしいような、そんなお店の魅力に触れられるはずです。

【Infomation】
店名:サイクルショップりんりん大島
住所:東京都江東区大島6-1-2-108
電話:03-3638-6565